人と関わりたくない人

誰も知らない誰かです

年末一人旅2日目 仙台駅を行ったり来たり

 

仙台駅行きのバスからアウトレットパークの観覧車が見えた。

旅先で観覧車があると乗りたくなる。「ひとり観覧車」は意外とハードルが低いと思う。


仙台港から仙台駅までは思いのほか距離があり、加えて帰宅ラッシュのせいか予定より遅れているようだった。

最初こそ車窓を流れる知らない景色にわくわくしていたものの、

土地勘のない見知らぬ地で初めて乗るバス、あとどのくらい乗ってればいいのかもわからず、

なかなか着かなくてうんざりしてきた。突発的に途中で降りたくなってくる。

我慢しておとなしく乗り続けて終点、仙台駅到着。

通算三度目の仙台

人多いなー。

明日は土曜日しかもクリスマスイブだからか、皆一様に浮かれているように見える。

私もはるばる仙台まで来て浮かれているので、人ごみの中勇気を出してカメラを構え駅舎の写真を撮った。

そのへんの風景を撮るのすら人目が気になる。

「あの人写真撮ってる…」「観光客だ…」と思われるのをなぜか気にしてしまう。

誰もお前のことなんて気にしてない、とか、自意識過剰だ、とか、分かってはいる。

思われたところで、だから何?って話だし。

逆の立場になってみれば自分だって、「あ、写真撮ってる」以外のことなんて思わない。

 

 

到着が遅れたので、予定を変更して先に今夜泊まるホテルに向かった。

駅から徒歩4分の道のりを急ぐ。ホテルに入るその前に、食べたかったものがある。

以前食べておいしかったから絶対また食べようと決めていた。

阿部蒲鉾店のひょうたん揚げ。偶然にもホテルと同じ建物内にお店があった。

閉店時間の18時半の10分前、ギリ間に合った!

がしかし、ひょうたん揚げコーナーには「完売御礼」の文字。

 

バスめ!遅れやがって!

 

バスに八つ当たりして溜飲を下げたところで、頭の中で明日の予定を立て直しながら、すぐ隣にあるホテルに入る。

チェックインして部屋に荷物を置き、身軽になって再び仙台駅へ。

仙台グルメを食べに行こう。

 

仙台といえば、まずは牛タン。

仙台駅構内には「牛たん通り」という牛タンスポットがあり、専門店がずらりと並んでいる。

そんな仙台名物でもある牛タンを、私はあまり好きではない。

見た目からして普通の肉と違うし、舌を食べるということに若干の抵抗があってもともと食わず嫌いだった。

その後食べる機会はあったもののやっぱりあまり好きになれず。

「でも本場の牛タンを食べたらおいしいのかも?」と思って、

以前仙台に来た時には牛たん通りに行き、地元民にも人気があるという店で食べてみた。

結果、「やっぱり自分牛タンあんまり好きじゃないな」という結論に至った。

どうにもあのサクサクとした歯ごたえのある食感が好きになれない。

だけど今回もまた牛たん通りに来たのだ。まっすぐやってきたのだ。

 

今回の目当ては牛タン(炭火焼)じゃない。

タンシチューを食べに来たのだ。

あの苦手な食感はタンシチューとして長時間煮込むことによって解消されるし、

なんとなく買った洋食弁当の片隅に入っていたタンシチューを食べてタンシチューの美味しさに目覚めた私は、また美味しいタンシチューを食べたいと常々思っているわけで。

だからまた来た。牛たん(シチュー)通りに。

 

以前入った店はやはり人気店らしい。唯一行列ができていた。

混雑した店内でぎゅうぎゅう状態で食べるのが嫌だったので今回は見送り。

さてどこに入ろうか迷う。店ごとの違いもわからないし正直どこでもいいんだな。タンシチューさえあれば。

そして入ったのは「味の牛たん喜助」

立ち止まって店頭のメニューを見ていたら、ちょうど帰る客を見送ったばかりの店員と目が合い「いらっしゃいませ」と言われたので、流れにまかせてそのまま入店。

 牛たんシチューセット 1,430円

テーブルにお皿直載せスタイルでやってきた。

こんな見た目からして美味しそうなもの美味しいに決まっている。

私の理想のタンシチューかといえばちょっと違うけど美味しい。

美味しいからもうちょっと量が欲しい。あと欲を言えばもう一品欲しい。せめておしんこでも。

念願のタンシチューを食べて満足したところで、さっきの行列店のタンシチューもやっぱり気になってきた。きっと絶対美味しい。いつか全店食べ比べしたい。

 

 

さて次は仙台といえば絶対飲みたい、ずんだシェイク!

過去2回来たときも飲んでるし、デパートの東北物産展でも必ず飲む。

今回はずんだシェイクにホイップクリームとずんだソースの載った豪華版

「ずんだシェイク エクセラ」を飲みに来た。

ホイップクリームの載ったゴテゴテした甘ったるい飲み物に惹かれがち)

手間がかかるからか物産展では一度しか見かけたことがないエクセラ。

牛たん通りのすぐ隣、ずんだ小径にある「ずんだ茶寮」に喜び勇んでやってきた。

併設のカフェスペースは残念ながら18時で終了していたので、テイクアウトのレジに並ぶ。

並んでから気づく、「エクセラの販売は18時まで」の文字。

またも時間に間に合わず食べたいものを逃す。

今日のところはノーマルずんだシェイクでお茶を濁すか…

迷った末に、一度も利用したことがない隣の店で買ってみることにした。

「喜久水庵 ずんだ茶屋」のずんだっ茶フロート

大勢の人がせわしなく行き交う駅の構内で、人気のない場所を求めてさまよいコインロッカーの端っこに落ち着いた。

 

ずんだと抹茶の融合したシェイクに抹茶ソフトクリームが載っている。

お茶屋さんということで抹茶ソフトが美味しい。

シェイクは抹茶と合わせているからかずんだ感が薄くさっぱりしている。ノーマルずんだシェイクにすればよかったかな。

ずんだ茶寮とはまた違ったメニューが多くて魅力的なお店だった。

 

体が冷えたところで次は駅を出て、近くのビルにある無料の展望テラスに行こう。

展望台の類はとりあえず行っとく。高いところから見下ろしたい。

ガラスの映り込みでうまく撮れない

31階からの眺め。

あと30分で営業終了だからか人が少なかった。

わりと小規模だけど無料だからこんなもんかな。

夜景というより晴れた昼間に登って遠くの山々とか見たい展望台。

サクッと見て降りてきて、再び仙台駅に戻った。

 

駅2階コンコースのイベントスペースでは、ケーキやチキンや雑貨やらなんやかんやのお店が並び賑わっている。

そうだよクリスマスだったよ。

楽しそうなので近づいて見てたら、なんか自分もクリスマスの浮かれ気分が伝染してきた気がする。

クリスマスっぽいことしたいな。ホールケーキいいな。あのでかいチキンもいいな。ちょっと買ってしまおうかな。

 

さすがに買わない。一人の旅先でホールケーキ買うやつなんてまずいねーよ。

冷静さを取り戻しエスカレーター昇って3階へ。

さっきの牛たんやらずんだやらとは反対方向にあるナポリタンとハンバーグが有名なレストランHACHI(ハチ)。

ここもまた以前来た。気に入ると何度も行くタイプ。

その時にテイクアウトで買いに来る人が次々とやってきていて気になっていた「コペリタン」(ハンバーグのせナポリタンを挟んだコッペパン)を買いにきた。

行列ができていたけど、テイクアウトならば並ばずに店内に入っていいらしい。

がしかし残念ながらコペリタンはすでに売り切れ。

ひょうたん揚げ・ずんだシェイクエクセラに続き、またしても買えなかった。

せっかくなので他のメニューを頼むか?いやもうナポリタンやハンバーグのようながっつりメニューは食べられない。

しかも前の客と店員の会話から出来上がりまで20分はかかると知り、そこまで待ってられないので断念して店を出てきた。

ひょうたん揚げ・ずんだシェイクエクセラ・コペリタン。明日の予定が増えたな。

 

仙台駅でやりたかったことはとりあえず全部やった。でもなんか名残惜しいのでまだホテルに戻らず、お土産屋見てまわったり買い物したり。

なにか買おうかしらと入った駅ナカコンビニのニューデイズで、やってきたサラリーマンが店先にあった「ホヤぼーや」の大きな顔面クッションを手に取りまっすぐレジに行き、袋も買わずむき出しで小脇に抱えて帰って行ったのが印象に残った。

プレゼントだろうか。ホヤぼーやファンだろうか。新幹線でクッションにして寝るんだろうか。

むき出しのホヤぼーや、人目引くだろうに。いいな。その大胆な行動がうらやましい。

 

さて、ホテルの大浴場が男女入れ替え制なのでそろそろ戻らないと女湯の時間が終わってしまう。

アーケードを通ってホテルに戻る

まあ結局大浴場には入らなかったわけだが。

大浴場はフロントのすぐ横で、女性はフロントで大浴場の扉の鍵を借りないといけないシステム。

なるべく人と関わりたくない人間の自分にはそういうのすごく抵抗があり、迷った末に部屋のユニットバスで済ませることにした。

安さだけで選んだホテルなので、旅行サイトの口コミも良くないし覚悟してたんだけど、

たしかに古くて経年劣化により汚いが、まあ我慢できるレベル。

 

不安で事前に口コミ読み漁ってたら「宿泊客には女性もいるのにテーブルの上にアダルトチャンネルのチラシを置くのはどうなのか」というものがいくつかあり、

確かにテーブル上のクリアファイルの中、いちばん上にそのチラシが入っていた。

いちおう重要な部分は隠されているとはいえ肌色多めの、一目でわかる露骨なチラシ。

せめて他のチラシの下に隠せばいいのに、苦情があってもなお、なぜそんなに堂々と。

それでも訴求したい何かがあるのだろうか。ないか。

 

まあそれは自分で隠したからいいんだけど、

何よりも嫌だったのは、ベッドのマットレスがだいぶへたれていて、体が沈む沈む。

あんなの初めてだよ。

今まで数多の宿泊者の体重を一身に受け止めてきた真ん中の部分なんて、特にやわやわ。

沈み込んでどうにもこうにも寝心地悪く嫌な感じ。

努めて端っこの方に寝るようにしたけど解決策にはならず解消されない不快感。

もうあそこに泊まることはないだろうけど、あんなへたれマットレスは早急に替えた方がいい。

 

やっぱり寝るときだけ家に帰りたい。