人と関わりたくない人

誰も知らない誰かです

年末一人旅5日目・6日目 宇都宮

 

会津若松に別れを告げて、今日の宿泊地の宇都宮に向かう。

いよいよ東北とはお別れだ。

 

いつの間にやら家を出てから5日も経っている。旅の終わりが見えてきて寂しくなってきた。

まだまだ帰りたくない。旅程無視して逆に北上したい。津軽海峡越えたい。気軽なノリで日本最北端まで行きたい。

なんの制約も気にしないで飽きるまでずっと移動し続けてたい。

車窓の景色をぼんやり眺めてそんなこと考えながら電車に揺られ、終点の郡山に到着。

 

ここで乗り換えるのだけど、15分の乗り換え時間を使って一旦改札を出てお土産屋へ。

残りの2500円分のクーポンを使って赤べこグッズを購入。

お椀、スプーン、ピンバッジ

 

そして郡山から二度の乗り換えを経て、宇都宮に17時すぎに到着。

ホテルより餃子より何よりもまず、駅ビルに入っているJINSに向かった。

今朝方壊れためがねをなんとかしないと。

 

朝から色々と考えた結果、修理でなくいっそ新しく作ってしまうことにしたのだけれど、

レンズの度数を測るために壊れためがねを店員に渡したら、ついでに直してくれた。

事も無げに、ものの数分で、あっさりと。

そうしてすっかり元通りになって手元に返ってきためがね。

 

あれ、もうこれでいいじゃん。新しく作る必要ないじゃん。

無駄な出費じゃん。

 

しかし今更「直ったんならもういいです」と言い出す勇気はなく。

あんなに簡単に直るんだったら、最初から素直に「修理できますか?」と訊けばよかったんだ。

いつも後から余計な事ばかり考えすぎていたことに気づく。

本来シンプルな問題をわざわざ自分でややこしくしている。

そういう自分のめんどくささ、若い時に比べたらだいぶマシになってきたと思うけど、まだまだだ。

 

後悔をひきずりながら料金を支払い、出来上がりまで駅ビル内をうろついて時間を潰した。

いちご王国・栃木ということでいちごサンドを買ったり、本屋で立ち読みしたり。

 

約40分後、受け取っためがねをそのまま装着して店を後にした。

これを今日ここで新しく作る必要があったのか、というと、無かったのだが、

なんにしても、晴れてクリアな視界を取り戻したので良しとする。

なんだかんだ新しいめがね、嬉しいし。

 

餃子像のいる宇都宮駅西口


新しいピカピカめがねのおかげで全てのものがはっきりと美しく見えるような気がする。

浮かれた気分でホテルまでの道のりを歩いた。

知らない街を歩くだけでも楽しいのに、夜だとなんだか妙にわくわくして更に楽しい。

 

交差点の角で地方銀行のマスコットキャラクターとおぼしきぬいぐるみに出会った。

モグラかな。かわいい。

かわいいのがたくさん並んでいるのもかわいいし、スカーフ巻いてあるのも、チェックの布が敷いてあるのも、端っこの子がはみ出してるのもかわいい。

これらを職員さんが一体ずつ並べている光景を思い浮かべるとそれもまたかわいい。

かわいすぎて写真撮らずにいられなかった。

 

めがねの後悔もすっかり忘れ、かわいいモグラに心奪われつつ、街中に突如現れた神社が気になりつつ、駅から約20分かけて今日の宿にたどり着いた。

宇都宮東武ホテルグランデ

いつも泊まるのはだいたい簡素なビジネスホテルばかりなので、いつもより広くて豪華なエントランスに少し気が引けてしまった。

とはいえちゃんと予約もしてあるし客であることは確かなので、何も臆することはないのだ。

中に入ってもこれまた広々としたロビーに内心ドキドキしながらチェックインを済ませ、お部屋へ。

 

部屋の中はシンプルで落ち着く空間。

嬉しかったのは、よくある緑茶のティーバッグの他に、ホテルオリジナルブレンドという苺のフレーバーティーがあったこと。

専用のカップも用意してあって、おいしい淹れ方のメモも添えてあるホスピタリティ。

いつもと違う特別感に心躍った。

 

 

さて、宇都宮なのでアレを食べに行かなくては。

言わずもがなの餃子である。

ホテルから5分ほど歩いて到着。

 

ドン・キホーテ地下にある「来らっせ 本店」

(ずっと「こらっせ」だと思ってたら「きらっせ」だった)

ここにもいる餃子像

 

ちょうどおあつらえ向きに近くにあった、というか、ここが近かったからホテルを決めたというか。

宇都宮餃子の名店が一堂に会する、観光客にうってつけの餃子スポット。

 

夜のドン・キホーテって治安悪そうなイメージがあって若干不安な気持ちでエスカレーターを降りて来たけど、

人いないなー。

観光客でにぎわってるのかと思ってたのに全然人がいない。

店先の整理券の案内などを見るに、別に寂れてるわけではなく、単に平日夜という時間帯のせいなのだろうけれど。

 

いつものことではあるが、入店するのに尻込みしてしまう。

入り口から少し離れたところになんとなく立ってスマホ見ながら、様子見。

一人で外食するのって、したい気持ちは山々なんだけど得意ではない。

中の様子も何も分からない店内に一人で突入するのに勇気がいる。

できれば他の人に紛れて入店できたら一番いいんだけどな。

しかし周辺には誰もいない…。

 

でもせっかく来たのに入らずに帰るのも嫌だ。

掲示物をそれとなく眺めたりしながら逡巡したのち、なんとか入店成功。

店内にはまばらに客がいた。

「来らっせ」常設店舗

各店のメニュー表がテーブルに置いてある

案内されたのは「宇都宮みんみん」のカウンター席。

あとは自分で好きな店に行って注文し、出来上がったら席まで運んでもらえる、フードコートのような半セルフシステム。

 

各店舗の特徴も違いも分からないのでとりあえず、せっかくここに案内されたわけだし「宇都宮みんみん」の焼き餃子と、

7種類の味が楽しめる「さつき」のオールスター餃子を注文した。

「宇都宮みんみん」の焼餃子

「さつき」のオールスター餃子

うん、普通にうまい。あっという間に食べてしまった。

さてどうしよう。追加しようか。

迷ったけれども、結局この二皿だけで終了して退店。

 

でもまだ全然食べられる、というか物足りない。

ここは日替わり店舗の方にも行ってみたいところなのだが。

日替わり店舗

こっちも周辺に人いないし、中の様子が分からないし、入りづらい。

宇都宮餃子食べるという目的はもう果たしたし、帰るか。

でもやっぱりもうちょっと食べたい

どうしたものか…

 

迷いながら周辺をうろうろ。

餃子になれる顔はめパネル

 

うーむ、なんかもうフロア全体が閑散としているし、諦めて帰ろうかな。

エスカレーターで1階に上がり、ドン・キホーテのごちゃついた食品売り場を抜けて出入口へ。

 

でもなー。

迷いに迷って、やっぱ戻って、今度は思い切って、突入!

暇そうにしてたどこかの国のアルバイトがすぐさま席へ案内してくれた。

外からはまったく分からなかったけど、客が数人いてホッとした。

 

こちらは常設店舗と違って、席で注文する普通のレストランスタイル。

食べ比べにはうってつけの、一皿で5店舗の味を楽しめる盛り合わせがあった。

でももうそんなに焼き餃子ばっかり何個も食べられない…。

月曜日のメニュー(裏もあり)

 

座った席の呼び出しボタンが故障していて鳴らないというちょっとしたアクシデントもあったが、なんとか注文完了。

 

通常の約1.7倍の大きさだという「悟空」の焼き餃子

「青源」の水餃子

食べてるうちにお腹いっぱいになってきたけど、水餃子のみそスープがおいしくてたくさん飲んだ。

はー、食った食った、満足。これでもう心残りはなし。

 

良くも悪くも若さ溢れる若者が行き交う、自分には若干居心地の悪い夜のアーケード街を通り抜け、遠回りしてホテルへ帰った。

 

お風呂入って、フレーバーティー飲んで、就寝。

 

 

そして翌日12/27(火) 

いい天気。

おはよう宇都宮

少し緊張しながら1階のカフェレストランに向かい、朝食バイキング。

というか、朝食ビュッフェ?どっち?どっちでもいい?

 

1回目

紅茶のティーバッグに間違えてコーヒー注ぐのこれで二度目だ…

これがお湯かな?と思ったポットがコーヒーだった。

慣れないあまりにおかしな間違いしてしまったのを誰かに見られてたらどうしよう恥ずかしい!

という内心の焦りを悟られないように、平静を装ってそのまま席まで持って帰ってコーヒー紅茶を飲んだ。

コーヒー嫌いなのでまずいけど、飲めなくはない。

もうこんな間違いしたくない。

 

2回目

わー「シェフが作ってくれるオムレツ」だー!でも声掛ける勇気ないな…

と思って見てたら、スタッフがすぐ気づいてくれて「お作りしますか?」と尋ねてくれた。ありがたい。

数種類の選べるトッピングから、きのことたまねぎとチーズのオムレツ。美しい。さすがシェフ。

そして見た目がアレなことで有名な郷土料理「しもつかれ」に遭遇したのでチャレンジしてみたが…もういいかな。

 

デザート

おいしかったのでおかわりしたフレンチトーストとさつまいもの甘露煮。

一切れがでかい季節外れの梨。

ソフトクリームはあったら食べなきゃいけない使命感に駆られる。

 

 

お腹いっぱいになって部屋に戻り、9時すぎにチェックアウト。

駅に向かってのんびり歩いていたら、お土産屋さん?民芸品店?の店先のガチャガチャが目に留まった。

 

「ぎょうざうるす」という謎のキャラクターの、アクリルキーホルダー。

 

ぎょうざうるすって聞いたことあるような、ネットで見たことあるような、ないような、

とにかくなんか、かわいいぞ。

すごく好きなタイプ。ときめいた。ひとめぼれした。

これは素通りできない。一匹捕獲して帰りたい。

 

とはいえガチャガチャなんて普段やらないし、しかもこんな大通りに面したところで、なんかこっぱずかしい。

しかもアクリルキーホルダーってあんまり惹かれないな、いらないな。

 

しばし考えつつ、ガラス越しに店内の様子をうかがってみた。

たくさんの茶色いひょうたん細工?と、そしてかんぴょう。

正面には宇都宮の郷土玩具「黄ぶな」グッズが並べられている。

黄ぶなもかわいいよねーと見ていたら、「ぎょうざうるすは裏にいるよ」と書かれたポップを発見。

店内には他にもグッズがあるみたいだ。

おそらくこのお店のメインである民芸品にもかんぴょうにもあんまり興味は湧かないし若干入りづらいけど、ぎょうざうるすは気になる。見逃せない。

というわけで思い切って入店。

 

民芸品の並ぶ壁沿いの棚の一角にぎょうざうるすコーナーはあった。

手書きのポップによると、SNSをきっかけに、ぎょうざうるすはすでに人気を博しているらしい。

知らなかった。でもそれも納得のかわいさ。

 

ステッカーやイラストの描かれたトートバッグもあるけれど、いちばんかわいいと思った陶器の置物の、中でもいちばん気に入ったこの子を買った。

いちごさうるすのクリスマスバージョン

かわいい

かわいい

とちぎ

てっきりよそで仕入れたグッズを取り扱っているだけだと思いきや、あとで調べたところ、そもそもこのお店でぎょうざうるすは生まれたそうだ。

ノーマルぎょうざうるす(焼き餃子)の他に、揚げぎょうざうるす、水ぎょうざうるす、つけだれラー油たっぷりバージョンのぎょうざうるすもいるし、

お店のツイッターインスタを見てると、クリスマスの他にもハロウィンバージョンやバレンタインバージョンのぎょうざうるすが登場してたりする。

どれもこれもかわいいしユニークで、作っている人のぎょうざうるすへの愛を感じる。

 

次回宇都宮に行った際にはまた必ずお店に行って、置いてあるすべての種類のぎょうざうるすを捕獲して帰りたい。

家に連れて帰って並べて飾りたいし、愛でたい。

 

 

素敵な出会いによって気分よく駅に向かった。電車の時間までお土産を買おう。

栃木を去る前に、旅行支援のクーポン3000円分使い切ろう。

まず買ったのは、宇都宮の郷土玩具黄ぶなのキーホルダーと、レモン牛乳グッズ(ポップコーン、入浴剤、ハンドクリーム)、そしていちご王国・栃木なのでいちごの入浴剤。

そして残った1000円分で何を買うか、複数あるお土産屋さんを行ったり来たりしたが、なかなか決められない。

黄ぶなのトートバッグ?岩下の新生姜グッズ?どちらもいらない。

もう適当なお菓子でも買う?

 

迷いに迷った末に買ったのが、Suicaペンギンの折り畳み傘。

宇都宮も栃木も関係ないし、2750円もした。1000円を大幅にオーバーしている。

でもとても気に入っている。

軽量で持ち運びに最適、何よりかわいい

 

散々迷ったおかげでいい買い物ができたなー

ほくほく気分で10時55分発大宮行きの電車に乗り込んだ。

 

滞在時間も短かったし餃子食べた以外観光も何もしてないけど

宇都宮は楽しかった。

農業センターしだれ梅まつり

去年も行った「名古屋市農業センター delaふぁーむ」のしだれ梅まつりに行ってきた。

張り切って朝一で行きたかったがなんやかんやで着いたのは15時。

もう夕方だし平日なのでまだ少ない方なのだろうけど、なかなかに賑わっていた。

子連れもいるけど、全体的に年齢層が高い。老人が多い。

 

若い女の子と一眼レフ抱えたおっさんの組み合わせは何?モデル撮影?

老夫婦が自撮り棒にタブレット装着して自撮りしながら歩いていた。

近頃の老人はすごい。

 

首から一眼レフぶら下げて一人で来ている人もたくさん見かけた。

でかいレンズ着けて熱心に梅の花を撮っていた。

 

写真撮るでもなく、じっくりと花を見ている人もいる。

ただ「見てる」というより「愛でている」ように見えた。

逆光

 

 

 

農業センターは来年のリニューアルに向けて近々休園するそうで、畜産エリアはすでに閉鎖されている。

入れるけど入れない

羊、ヤギ、鶏、牛なんかがいたが、今は何もいない。

去年来た時は羊にエサやりして、グイグイ来るアグレッシブな羊に手のひらベロンと舐められた。

今年もやる気満々で来たのに、残念。

 

 

牛がのんびり佇んでた放牧場も牛舎も、人の気配も牛の気配もなく、がらんとしていて寂しげ。

 

動物たちはどこ行ったんだろう?

なんて考えながら、隅っこのベンチに座って行きしなに買って来たパンを食べた。

ベンチにされた牛の後ろ姿と、カメラを構えて菜の花畑に群がる人々を遠巻きに眺めながら。

西日眩しいしハエのような虫が時折まとわりついてきてうざいけど、人がいないから落ち着く。

 

 

2個目のパンを食べているとき、若い女子二人組がやってきた。

聞こえてきた会話によると、このベンチ牛に会いに農業センターに来たらしい。

写真を撮って座って一通りはしゃいだ後に去って行った。

まさかファンがいるとは。

愛されてて良かったね、牛。

 

 

 

3個目のパンを食べていたら小さな子とその母親がやってきた。

人気のない隅っこで一人でパン食ってる女のことなど背景の一部だと思ってるのか、まるで気にしてない様子で、思ったより遠慮なく接近してくるなこの親子。

いや、別にいいんだけどさ。

子は思うままに歩き回り、自分に向かって近づいてくる。

無邪気に話しかけてこられたらどうしよう、と緊張したけど(子供苦手)杞憂に終わった。

目の前まで来てそのままベンチの後ろを通って去って行った。

 

必要以上に他人に近づいてこられるのは嫌だけど、

「こいつは近づいても大丈夫」な無害な人間だと認定されている、と考えれば、それはまあ悪いことでもないのかも。

 

 

菜の花畑をバックにおばあさんの写真を撮るおじいさんを見てほのぼのした。

花の周りをみつばちがぶんぶん飛んでいる。春だ。

なばなのおひたしが食べたくなってきた。



通りすがりのおじいさんが褒めていたキャベツ

 

人参畑を前に、中年の女性二人が「人参の葉」の話をしていた。

そのあと別の場所で二度目に遭遇した時も、三度目も、やっぱり二人は「人参の葉」の話をしていた。

どんだけ好きなんだよ。

他人の会話に聞き耳を立ててみると結構おもしろい。

 

 

これはカラスノエンドウの、畑?

まさか育ててるのか?雑草を?

 

初めて聞いたヘアリーベッチ

ほんとに育ててたし、カラスノエンドウじゃなかった。

ヘアリーベッチ」はカラスノエンドウの親戚みたいなものらしい。

 

 

ハーブコーナーにて目にとまったこの草

ラムズイヤー」という

形や感触が羊の耳を連想させるからこの名前が付いたとのこと。

優しくなら触ってもOKということで、葉っぱをそっと撫でてみた。

ふわふわだー

本当にもふもふの生き物みたいなふんわり感。

毛布のようでもある。

撫でてると癒される。部屋に置きたい。

 

他のハーブも匂ってみようと、葉っぱをつまんだ指先を鼻に持っていったら、さっき食べた菓子パンの甘い匂いがした。

手洗えよ。

 

 

展示温室の中に入る。

カラフルなお花や観葉植物が育てられていた。

バナナだ!

 

この靴履いてみたい

 

大根二連発

その①

若干ガタが来てる

畑で抜いたらほほえましい形だったので鉢に植えた、というおもしろ大根。

ピンクのハートまでつけられて、なんだか可愛がられてるみたいで、それもまたほほえましい。

 

 

その②

見た人の足を止めるナイスユーモア

「だいこんあし」

 

 

園内もひととおり回ったので売店をのぞいたら、私の好きな柑橘ベスト3に入る「はるか」があった!やった!

スーパーではほとんど見かけないので嬉々として二袋購入。

重いし荷物増えたけど、好きなものがいっぱい!という喜びの方が大きい。

見た目に反し酸味は少なく爽やかに甘い

 

帰る前にもう一度梅園に行ったら、かすかに聞こえてきた寂寥感のある音楽。

もしや、と思ったらやはりもう閉園時間だった。16時半と少々早め。

それでもまだ普通にしだれ梅鑑賞してる人大勢いるし、園内放送の音量が控えめで皆気づかないのか、誰も急ぐ素振りもない。

そんな人々に早く帰れと呼びかける職員もいない。

ゆるーい。

 

最後までのんびりした空間だったな。

 

 

年末一人旅5日目 会津若松の教え

あわまんじゅうを探して歩きまわった後は予定通りの会津若松観光に戻って、

レトロな町並みの観光スポット・七日町通りに向かった。

歴史ある建物が立ち並ぶ大正ロマンの雰囲気漂う通りらしい。

 

平日だからか観光客の姿も少なく静かだし、言うほど大正ロマン感も感じられないように思ったが、飲食店や伝統工芸品などのお店も多いので町歩きするのは楽しそう。

気になるお店に寄りつつ端から端までゆっくり歩いて楽しみたいところなんだが、

あわまんじゅう探しに必死になりすぎたせいで残り時間が少ない。

このあとの予定や電車の時間を踏まえると、七日町通りにはせいぜい10分ほどしかいられない。

せっかくの素敵ストリートをただ急いで歩くだけという、なんとももったいない観光となってしまった。

 

でもやっぱりそれだけじゃ悲しいので、

かろうじて一軒だけ、和菓子屋さんに入っておやつに生クリームどら焼きとくるみだんごを購入。

「アスパラどら焼き」というめちゃくちゃ気になった一品は売り切れで買えなかった。

 

いろいろ悔いが残るのでまた来たい。

 


さて短い時間だったが七日町通り観光も済み、これで会津若松観光すべて終了。駅に急ぐ。

次は駅構内にあるお店でラーメン食べる予定だ。

電車の時間まであと40分しかないのに駅まで徒歩20分近くかかる。

できるだけ早く駅に着かないとラーメンの時間がなくなってしまう。

 

走るの嫌いな自分でもこの時ばかりは走った。

親譲りの運動音痴、体育の授業のトラウマによる運動嫌い、

スポーツテストの50m走で「おっそ!」と笑われた忌々しい記憶…

走るの嫌い。ついでに急かされるのも嫌い。できるだけ走りたくない。

 

でも今はラーメンのために一分一秒でも早く駅に着きたい。

会津若松に来てまだご当地グルメどころかまともな食事を摂っていない。

ていうかお菓子しか買ってないのに、このまま去るのは避けたい。

だから自分には珍しく、走った。

 

しかし運動音痴にプラスして老化による体力の衰えのせいで、のろのろと休み休みでしか走れないので大して時間短縮になってない気がする。

加えていつのまにか駅までの最短ルートから外れてるし、無駄に遠回りしているような。

 

なんかもうこれ無理な気がしてきた。

「ラーメン食べる」か「予定通りの電車に乗る」のどちらかを諦めるしかない。

どちらも諦めたくはないが、両方ともやれる時間はない。

どちらを取るか。どちらにせよ、もう急いでも無駄なので走るのやめるか。

 

そのとき、突如頭の中にあのセリフが湧いて出てきた。

 

「あきらめたらそこで試合終了ですよ?」

 

安西先生である。

 

かの有名なこの言葉が自分の胸に響いたことは今まで一度としてなかった。

ただの「名言」のひとつとして形骸化していた。

あー、スラムダンクの、安西先生のアレね、ってなもんである。

 

しかしなぜか今はこの言葉を妙に素直にすんなりと受け入れられた。

確かにまだ諦めるには早いような気がしてきた。

たまには「最後まで諦めずに頑張る」をやってみようか。

もしかしたら本当に「諦めなければ夢は叶う」的な未来があるかもしれない。

ラーメン食べて、ついでにお土産も買って、予定の電車に乗れる望み通りの未来が。

 

試しに信じてみることにした。

 

そうして走り続け予定通り20分で駅に到着。

残りは20分、なんとかいけそうだ。

駅構内にある目当ての「会津山塩食堂」に一直線、

外食苦手人間なのでいつものように店の前で一瞬ためらったものの、勢いで入店。

事前に食べるものは決めていたので着席とほぼ同時に注文完了。

あとは待つだけ。

 

・・・

 

まだかな。

いや決して「遅い」というわけではない。しかし今はとにかく早く来てほしかった。

着々と残り時間は減っていくのにただ待つしかできないこの状況がどうにももどかしい。

爆速で料理が運ばれてきてほしかったが、そう都合よく事は運ばない。

そもそも頼んだのがラーメン単品じゃなくミニソースカツ丼とのセットだから尚更だ。

さすがにここは単品にしておくべきか一瞬迷うも、

「いや、諦めない!食べたいものを食べる!」という強い意志による、あえてのセット。

 

でもやっぱ間違えたかな、選択。バカだったかな。

それでもチャーシュー麺をやめてノーマルラーメンにするという妥協はしたんだけど…

大して変わらないか…

 

若干後悔し始めていたところで、来た!

早く食べないと!(でも写真は撮る)

会津山塩ラーメンとミニソースカツ丼セット

 

会津山塩ラーメン」とは、

磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉の温泉水を煮詰めて作られた『会津山塩』という

希少な塩を使ったラーメンだそうだ。

 

今日ここで初めてその存在を知った会津山塩ラーメンとの邂逅、じっくりと堪能したい。

その気持ちは山々なんだが、いかんせん今の私には時間がない。

電車乗るまであと12分しかないんだもの。

いや会計とか改札入ってホームまで行くとかもろもろ考えると残り10分もないか。

とにかく一刻も早く食べ終わらねばならない。

 

精魂込めて会津山塩を作った方々、そしてこのお店の方々。

関係者各位への若干の後ろめたさを感じつつ、味よりなによりとにかく早く食べきることだけを考えて麺をすすり続けた。

 

きれいに透き通ったスープの見た目そのままにあっさりとおいしい塩ラーメンを平らげ、

お次はソースカツ丼

どっぷりとソースに浸かりながらもサクッとしたカツが嬉しい。このソースの味も好きだ。

こういう味濃い目のガッツリ感を口が求めていたからか、どちらかというとラーメンよりソースカツ丼の方が好み。

いや、あっさり塩ラーメンとがっつりソースカツ丼の組み合わせがよいのだ。

セットにしたのは間違いじゃなかったのだ。

 

おいしい。旅先でおいしいものに出会えて嬉しい。

だけど時間が!ない!!

わー早く食べなきゃ―!と未だかつてないくらい急いで食べてるつもりなんだけど、

気持ちだけ急いて実際にはそんなに早くは食べられないもんだな。

 

思うようなスピードで減っていかないどんぶりの中身。

刻一刻と迫る電車の時間。

さすがにもう諦めムードが漂ってきた。

急いでるからって食べ残して帰るのは絶対嫌だから、やはり電車の時間遅らすしか。

 

いや、まてよ、ワープという手もあるな。

安さと引き換えに長時間移動の辛さに耐える青春18きっぷの裏技、新幹線ワープ

一部区間で新幹線を利用することで時間短縮しラクをするという手。

新幹線代は痛い、けど到着時間遅らせたくない、いやしかし。

 

どうにかうまく収まる方法はないものかと頭の中であれこれ考えつつ、ひたすら手と口を動かし必死に食べすすめていると、

どんぶりに残る米の量、現在時刻を照らし合わせるに、もしかして間に合うかも?

諦めかけてたところに一筋の光が差し込んできた。

 

ラストスパート、がんばって飯をかっこむ。

最後の一口飲みこんで、水を一口、残るは会計のみ。伝票掴んで、急げレジへ!

 

とそこで、ひと足早く食べ終わった隣の男性客に先を越されてしまう。

いやいや一人くらいなら大丈夫!

気を取り直して背後に位置していたレジを振り返ると、まさかの会計三人待ち。

残り時間は5分切っている。

 

あ、終わった。

さすがにもう無理だこれ。ここまでだ。試合終了。万事休す。

 

完全に諦めて大人しく並んでいると、列は意外とスムーズに進んでいき、思っていたより早く自分の番が来た。

あれ、あれあれ、これもしかして間に合いそう?

いける気がしてきた。

どうやらまだ終わりじゃなく、諦めるにはまだ早いようだ。

あとは電車に乗るだけだ。急げ。

 

残り時間は2分ほどしかないが、店を出れば改札は目と鼻の先。

楽勝だと思ったが、そういえばまず青春18きっぷにスタンプ押してもらわないといけないのだった。

たとえばそこで窓口に先客がいたとしたら。

それにこれから乗る郡山行きの電車が何番線から発車するのかも知らない。

改札を抜けそこにたどり着くまでに距離があったら。

途中でちょっと引っかかったらもう無理だ。すべてがスムーズにいかないといけなかった。

 

寄るつもりだったお土産屋もスルーしてまっすぐ改札に来た。

人目を気にする性格ゆえに、焦りで軽くテンパっている内心とは裏腹に努めて冷静に、余裕なふりをして駅員に青春18きっぷを差し出す。

ここまでは運よくスムーズに来ている。

あとは電車だ。どこだ!何番だ!階段ダッシュか!

 

と思ったら改札入ってすぐのホームに郡山行きが停まっていて拍子抜けした。

ついさっきまで焦っていたのがウソみたいに、余裕綽綽で電車に乗り込むことができた。

 

 

諦めないでやってみるもんだなあ。

会津若松でやりたかったこと、ほぼ全部やることができた。

最後にお土産買うのは叶わなかったけど、電車乗ってから発車するまで案外時間あったから、これも急げば買えたのかもしれない。

 

会津若松で思いがけず「簡単に諦めないことの大切さ」を学んだ気がする。

というか、自分は何事も早々に見切りをつけがちだったのかもしれないと気づいた。

もうちょっと頑張ってみてもいいのかもしれない。

今後、折に触れて今日の会津若松での出来事を思い出そう。

 

 

さようなら会津若松。また来よう。

ガス機器訪問点検がめんどくさい

 

ガス機器の点検に業者の人が家に来るという

家の中に入れ、立ち会わねばならないという

嫌だ!

 

安全のため4年に一度行うことが法律で決められているという

そんなの知るかよ

 

所要時間は10〜20分くらいで、すぐ終わるという

一歩でも家に入られるのが嫌なんだよ

 

4年前、来たっけ?家の中入ったっけ?

フツーに仕事で不在だったから、外にある給湯器だけ点検しましたって紙が入れられてたんじゃなかったっけ?

それは電気の方だったか?

 

安全のためなのも法律で定められてるのも仕方ない、そういうものだと受け入れなければならないのも分かっている

でも家の中に知らない人入れるのめっちゃ嫌

知らない人どころか知ってる人もあんまり入ってこないでほしい

ずっと一人でいるせいか、自分の家ってもはや誰にも侵されない安全地帯で、聖域で、

そこに入ってこられるのめちゃくちゃ抵抗感がある

誰にも踏み込んでほしくない心の中の領域に土足で踏み込んでこられるのと同じと言っていい

自ら外に出ていって人と関わりに行くほうがなんぼかマシ

 

そんな個人の感情は関係なく法律に則って粛々と点検をしに来るだけなんだけど業者の人は

そして自分もそれをなんでもない風に迎え入れ、立ち会いもそれなりにやり過ごすことができるし、嫌だ嫌だと言っていたわりに、呆気なくサクッと終わるだろうということも分かっている

 

分かっているけど分かった上で嫌だ

嫌だから業者の人には悪いけど無視したい

いつ行っても不在だからと諦めてほしい

嫌だ嫌だといい大人がみっともないのも分かっているけど

一応ガワはいい大人なので甘んじて受け入れるけど

やるよやればいいんだろやるけど

 

でも嫌だ、あれもこれもそれもどれも分かっているけどでも嫌だ

 

ああ人と関わりたくない

その渦中にいたくない

外から傍観してるだけでいい

流されるままに浮遊していたい

なぜそれが許されないのか

なぜ何かしらを頑張って何かしらになり何かしらを手に入れないといけないのか

何もしないのが許されない

ああめんどくさいめんどくさい

年末一人旅4日目・5日目 会津若松 あわまんじゅうを求めて

12/25 16時40分 会津若松駅着。

ホームにいた赤くない赤べこ

 

駅前の赤べこ

 

城郭風の会若松駅 feat. 見知らぬカップ
~ピンクのハートを添えて~

 

本日のお宿「駅前フジグランドホテル」

 

駅前ビューのお部屋

駅を出てすぐ見える、年季の入った昭和を感じるホテル。

大浴場はないが近くにある日帰り温泉施設の無料券がもらえる。

 

部屋に入って早々、テレビの電源が入らないというアクシデントに見舞われるも、

なんとか解決し17時半ごろお風呂に入りに外に出た。

すぐ近く(徒歩4分)だけど、雪で滑らないよう慎重に歩くと時間がかかる。

日帰り温泉 富士の湯

あんまりこういう入浴施設に来ないのでちょっと不安。

勝手が分からないゆえに知らぬうちに変なことしてしまって、変な顔されるんじゃないか。後ろ指さされるんじゃないか。

怪しまれない程度に周りの様子をうかがい確認しながらおそるおそる事を進めた。

 

お風呂は広く、薬湯・壺湯・座湯・高濃度炭酸泉・ジェットジャグジー・サウナなどバラエティに富んでいる。

露天スペースは湯気で真っ白の視界不良。これは何湯なのか?よく分からないまま入ったり。それも楽しい。

入りたかった岩盤浴は現在休止中。残念。

 

お風呂の後は3階にある食事処で夜ごはん食べるつもりが、勇気がなくて入れず。

せっかく受付でドリンクorソフトクリームの無料券もらったのに紙屑になっちゃった。

代わりと言っちゃなんだが、誰もいない2階のゲームコーナーでUFOキャッチャーに挑戦してみた。太平洋フェリーのリベンジ。

 

 

やっぱり全然取れずに小銭が吸い込まれていく。

もう迂闊に手を出すのはやめようと思った。

 

富士の湯を出るとしんしんと雪が降っていた。傘をさして隣のスーパーへ。

流れてきた蛍の光に急かされながら、地元乳業メーカーの黒ごまアイスと、なぜか売ってた青森のおいしいおつまみ「なかよし」(チータラのイカ版)を購入。

ホテルに戻って夜ごはんに郡山で買ったパンを平らげ、

自宅から約370km、会津若松の地にて、おやすみなさい。

 

 

そして12/26(月)

カーテン開ければ雪景色。

 

人々が次々と駅に吸い込まれ吐き出されていく様子を眺めていた。

クリスマス明けの憂鬱な月曜日。それでもみんな今日も今日とて会社に向かう。

旅先のホテルで目覚ましもかけず好きなだけ寝て起きて、曜日感覚もなくなって、

ぼさぼさ頭とよれよれ寝巻きの自分がそれを見下ろす。

まったくいいご身分だこと。

 

雲に覆われどんよりした空、と思えば晴れ間がのぞき、かと思えば数分後には吹雪。

情緒不安定な天気だな。

ところで、なんか遠くに白く細長い建造物が見えるんだが、もしやあれは…

また巨大観音がいたー!

仙台に続き会津若松にもいるとは…

これは何かのお告げ?導かれている?いやただの偶然?

行こうかどうか一瞬迷ってやめた。

 

そんなこんなで準備を済ませ、出かける直前にめがね破損。

レンズを水で洗おうとしたら片っぽ取れた。

フレームを留めるネジが外れてどこかに行ってしまい見当たらない。

困った。スペアめがねなんてあるかよ。

まだまだ旅は続くというのに、せっかくの旅行中に見る景色がうすらぼんやりしてるなんてそんなの嫌だ。

修理、いや新しく購入?なんにしても、めがね屋行かないと。

 

グーグルマップによると、運よく会津若松にもこのめがねの購入先であるJINSがある。

でも会津若松駅からは5kmほど離れたバイパス沿いにあり、

開店時間や電車・バスの時間、行く予定の観光地、次の目的地へ向け会津若松を発つ時間…

もろもろの兼ね合いによりJINS会津若松店まで行くのは無理だと判断。

とりあえず会津若松は裸眼での観光と相成った。

めがねは今日の宿泊地でどうにかしよう。

 

というわけで裸眼で街に繰り出した。

こういうの好きなんだ

赤べこも好きなんだ

坂道かつ雪道を歩くこと40分近く。思ったより大変だったのでバス乗ればよかった。

飯盛山にやってきた。

 

白虎隊の自刃の地としてあまりにも有名。らしい。

学生時代から歴史に興味が持てない私は、白虎隊について「なんか聞いたことあんな」

くらいの認識しかない。

にもかかわらずここに来たのは、

飯盛山ふもとの参道で、ふかしたてのあわまんじゅう(会津・柳津名物のおまんじゅう)を食べるため。

私の好きな漫画家・柘植文さんのエッセイ漫画「中年女子画報」の会津若松旅行の回で知り、いつか食べに行きたいと思っていた。

ついでになにやら面白げなつくりの建造物「さざえ堂」も見たい。

そのために会津若松に来たと言っていい。

 

旅先の有名観光地にはとりあえず行ってみるけど、そこにある背景とか歴史とかは正直どうでもいい。

結局今そこにあるおいしいものときれいな景色にしか興味ない薄っぺら人間だったんだ。

だというのに、

見事にシャッター全閉まり

どれがあわまんじゅうの店なのか?なんの店があるのか?何も分からないくらいに、

参道の店全部閉まってんじゃんよ。

そうか…まあ休み明けの平日だし、雪で観光客も少ないだろうしね。

でもグーグルマップ情報によると営業中になってたけどなー。

現在の時刻10時半。もしかして、今日はゆっくりスタートだったりして?このあと開いたりするかも?

いろいろ見て回ってまた下りてきたら開いてる可能性もなくはない。

わずかな可能性に期待して、とりあえず先に進もう。

 

 

大部分を雪に覆われた石段の横に、有料で上まで運んでくれる動く坂道があった。

朗らかな女性の声で「歩いたら本当に大変でございます、どうぞご利用くださいませ」

と利用を促すアナウンスがスピーカーから延々と流れている。

乗るかどうか迷っていると、男性が一人私を追い抜かしまっすぐチケット売り場へ向かっていった。

よし、この人に倣って乗ることにした。おもしろそうだし。

料金250円

確かに動く「坂道」

傾斜がきつくてずっとアキレス腱伸ばしたまま山の上に到着。

しかし降りた先にも石段があるので、結局少しは自力で上らなきゃいけない。

で上った先にあるのが白虎隊のお墓。

普通の靴で歩き回るのは無謀だった

順路に従ってたらたどり着いたけど、そもそも白虎隊を目当てに来たわけじゃないのよ。

一応なんとなく見て回ろうかと思ったけど、雪すごいし、通り道狭くてすれ違えないし、もういいや。

ていうかさざえ堂見に来たんだけど、さざえ堂は?

さざえ堂を求めて移動する。

 

雪が残って半分凍っている石段を降りるの怖すぎた。手すりがもはや命綱。

その先のゆるやかな坂道も滑りそうで怖いし、ここ冬に来るとこじゃないな。

 

苦労の甲斐あって無事発見した会津さざえ堂。

全景を収めるのに失敗した

二重らせん構造の珍しいお堂。たしかにぐるぐると面白い形をしている。

こんな珍しいものがあるのに、このあたり他に誰もいない。

なんで誰も来ないんだ?

さっきの白虎隊のお墓にいた人たちはどうした?そのまま階段下って帰った?

それともまだ熱心にお墓を見てるんだろうか。

私があっさり切り上げすぎなんだろうか。

 

それはさておき、さっそく中に入ろう。

拝観料400円。昨日ホテルで貰った全国旅行支援のクーポンを使用した。

かっこいい入り口

らせん状のスロープをぐるぐる上っていく。天井が低く閉塞感がある。

二重らせん構造ゆえにのぼりとくだりの通路が分かれていて一方通行になっている。

だから人とすれ違うことは絶対にない、ということだけど、

そうでなくても今お堂内にいるの自分だけ。

小さい建物なのですぐにてっぺんに着いて、天井を埋め尽くさんばかりの千社札に圧倒される。

この光景、使い方合ってんのか知らんけど、なんか「エモいな」と思った。

 

 

さざえ堂を出て、石段を下りたら神社があった。

そしてここを通っている水路が、水量がやたら多い上に流れも速い。

落ちたらどうしよう…と思って怖くなってくる。

雪に覆われて他に人もいない静かな中に響く、勢いよく流れる水の音が妙に怖い。

勢いがすごくてこわい

水量が多くてこわい

白虎隊が潜ったという洞穴。

こんなとこ潜ったらしぬよ!

こわいこわい言ってたら他の観光客の姿が見えてホッとした。

 

案内図に地元の名前を見つけてびっくり

 

こうして飯盛山観光を終え、あわまんじゅうへのわずかな期待を込めてふたたび参道へ向かうも、やはり行きと変わらぬシャッター街状態。

今日はもう完全に休みのようだ。

 

しかしがらんとした参道の中で一軒だけ開いている店があり、「もしかしてここにもあったりしないだろうか」と、ないとはわかりつつ未練がましく外から覗いてみた。

売っていたのは土産物や甘酒など、今はいらないものしかない。そりゃそうか。

 

完全に望みを絶たれ失意のうちに立ち去ると、背後から「いらっしゃいませどうぞー」と声が聞こえた。

私が店の前にいたことに遅れて気づき、客を逃すまいと店先に出てきたんだろう。

申し訳ないけど今日はそちらのお店に用がないのです――。

もうけっこう店から離れてるのをいいことに、その呼びかけが自分に向けられてるとは思ってないふりしてそのまま振り向きもせず歩いた。

もうけっこう離れてるというのにしばらくの間どうぞどうぞと呼びかけられていた。ごめんなさい。

 

「中年女子画報」に出てきた、あわまんじゅう店の向かいの「グイグイくるプロモーション」の土産店ってあそこのことだろうか。

私には一人でそのプロモーションを受け止める自信はない…

 

 

さてやっぱりあわまんじゅうへの未練が断ち切れない。

グーグルマップで探したところ、会津若松であわまんじゅうが買える店は飯盛山の他に二軒。

そのうちふかしたてが食べられるのは鶴ヶ城近くにあるお店。

鶴ヶ城までのちょうどいいバスがないが、それなら歩いたろうやないか、40分。

 

グーグルマップ先生の教えを時々無視しつつ、40分以上かかって鶴ヶ城付近にたどり着き、しかし詳しい場所が分からず。

周辺をさまよいながらググったところ、独立した店舗でなく、土産物屋や飲食店の集まった施設の中に入っているということが判明。

そしてその施設もようやく見つけ、やっとあわまんじゅうにありつけると思いきや、

まさかの施設ごと休館日。

なんでよ!

またかよ!

グーグルの嘘つき!

もうグーグルの言う「営業中」を信じるのはやめようと心に誓った。

 

こうなったら残りの一店舗にも行ってやる。そこも休みだったらすべてをグーグルのせいにして諦める。

次の店まではここから徒歩約11分と大した距離ではないんだが、

  • 二度もふられた悲しみと思い通りにいかない苛立ち
  • 歩きにくい雪道を1時間以上歩き続けている疲れ
  • 当初の予定が崩れて残り時間がなくなっていく焦り
  • 裸眼のせいでよく見えない視界によるストレス
  • 雪まで降ってきて泣きっ面に蜂状態
  • ていうか何やってんだろうわたし…

これらが一気に押し寄せてきて、なんだかもうぜんぶ嫌になった。

精魂尽き果て、もうすべてが恨めしい。

 

それでも半ばヤケになってイライラと恨めしさを原動力に歩き続け、なんとか三軒目にたどり着いた。

よかった、開いている。今度はグーグル裏切らなかった。

 

気づかず通り過ぎてしまいそうになったほど街に溶け込んで、

「まちの小さな和菓子屋さん」然としている、個人的にかなり入りにくいタイプのお店。

ふだんならまずこういうお店に入ることはないんだが、さすがに今日は素直に入るよ。

 

ガラスの引き戸をカラカラと開けて入ると、すぐ目の前がショーケースの小さなお店。

よかった、あった、あわまんじゅう。作り置きで温かくはないけれど、もう贅沢は言ってられない。

まさしく三度目の正直でやっとあわまんじゅうをゲットして肩の荷が下りた。

 

これがあわまんじゅうだ!

その夜ホテルでいただいた。

粟ともち米の生地でこしあんを包んだ、ふつうにおいしいおまんじゅう。

よくある餅菓子とも違うもちもちした食感が楽しい。

これを求め奔走し苦労したのも報われるほどの味か、といえばそこまででもないかも。というのが正直な感想。

でも無駄に歩き回ったのも終わってみれば良い旅の思い出。

次はぜひ、あわまんじゅうの本場・柳津で、ふかしたてを食べたい。

 

 

年末一人旅4日目 猪苗代湖鳥まみれ

 

12/25(日) 

ぐっすり寝て起きた。メリークリスマス。

焼きたてパンの無料朝食のついたホテルだったけど食べずにチェックアウト。

これからパン屋に行く予定なのでさすがにパンの食いすぎになってしまう。

でも無料なのにもったいなかったかな、食べときゃよかったかな…

ホテルを出てもしばらくの間後悔を引きずっていた。

 

ところで朝からなんだか虚しい気分でいる。

なんなんだろう自分って…なんなんだろうこの人生…

もやもやしながらパン屋の方角に向かってテキトーに歩いてたら、大きな公園にぶち当たったので突っ切っていくことにする。

 

広い公園には誰もいなかった。

いたって平和で穏やかな空間でぼんやり佇んでいたら、頭の中が少し落ち着いてきた。

鳩に話しかけたりして

先に進むと立派な日本庭園があってテンションが上がる。

池で泳ぐカモを眺め立ち並ぶ松の間を散策しているうちに、次第に元気になってきた。

偶然この公園に行き着いて良かった。

 

「旅先での出会い」ってよくいうけど、そんなん本当にあんのか?と疑うくらい、

今まで旅先で誰かとちゃんと交流した経験がない。

でも美しい風景やおいしい食べ物との偶然の出会いならたくさんあった。

それだって十分楽しい。

 

 

気分を持ち直し、目当てのパン屋でパンを購入。

ここも去年の旅行でたまたま来た店。

この店が近所にあってほしいと思うくらい気に入った。

楽しかったとか美味しかったとかいい思い出をもう一度味わいたくて、同じところに行きがち。

でも思い出はいつのまにか美化されている。一番最初の感動はなかなか超えられない。

 

パン屋の後、駅に向かう途中で地元の百貨店に寄った。

なにか歌声が聞こえる。化粧品売り場のお姉さんが手拍子をしている。

クリスマスコンサートが開かれていた。

知らない人がギター抱えて歌っていた

通り過ぎながら耳に入ってきた歌は、おおざっぱに言うと

「人それぞれ意見は違うけど、認め合おうぜ、みんな違ってみんないい」

そんな感じの内容。

 

よくあるやつーよくありすぎて良いこと言ってても響かないやつー

 

なんてひねくれたこと思ったけど、

よくある内容を歌詞にして音にして曲にして、そしてそれを人前で歌う

それがもうすごいことだよな。

自分にはできないくせに簡単に馬鹿にするもんじゃないよな…と反省した。

昨夜展望台に登った駅前のビル

 

さて、これから電車で猪苗代駅まで行き、猪苗代湖の遊覧船に乗るはずだったんだが、

ここ数日の最強寒波の影響で悪天候が予想されるために、

残念ながらクリスマスの昨日今日と終日運休だという。

寒波の野郎が恨めしい。なんで今だよ。和らげよ。

 

遊覧船は仕方ないので諦めるとしても、猪苗代湖は見ておきたい。

遊覧船乗り場のある「長浜」では冬の間は白鳥が見られるという。カモもたくさんいるという。しかもエサやりもできるという。

それは絶対行かないと。

遊覧船の代わりにそれを楽しみにして行こう。

 

しかし調べているうちに、

湖挟んで長浜と反対側にある、同じく白鳥の飛来地として有名な「志田浜」も気になってきた。

駅から徒歩20分で行けるらしいし、電車とバス(本数が少ない)を乗り継いでいく長浜よりも都合がいいのではないか?

お土産屋や食事処もあるしこちらも白鳥のエサを売ってるそうだ。

志田浜に行くか。

 

磐越西線 会津若松行き

早めに駅に来たので無事座れた。

今日は移動距離が比較的短いので青春18きっぷでなく、ICカードを使用。

発車を待ちながら、ふと思いつく。

 

そういえば、この路線ってICカード使えるのか?

 

心配になって調べてみたら、磐越西線では一部の駅しか対応していない。

きっとその旨どこかに掲示されてたんだろうが全く気が付かなかった。

志田浜の最寄り駅である関都駅ICカードが使えない。

この場合、降りるときどうしたらいいんだ?

再度調べてみたら、

「降車駅でICカードで乗ったことを告げて現金で清算→証明書を受け取る→

後でICカード対応駅の窓口で入場記録を消してもらう」

という手順らしい。

 

でもこれワンマン列車なんだよな。

そして関都駅無人駅。

降りるときに運転士にそんなめんどくさいこと申告するの、気が引けるな。

運転士からしたら多少なりとも迷惑なのでは?

「チッめんどくせえな乗る前に調べとけや」と思われるんじゃないか…。

できるかぎりそのような事態は避けたいところ。

 

となると、今すぐ改札に戻って窓口で入場記録を消してもらい、改めてきっぷを買いなおして入場するか。

でもそうやって戻ってくる頃には、きっともう座席は埋まってて座れないだろう。

せっかく座れたんだからこのままのんびり座っていたい。降りたくない。

 

よし、やっぱり関都駅通過してICカードが使える猪苗代駅で降りよう。

当初の予定通り長浜に行こう。

 

そういうわけで猪苗代駅下車。

ICカードでスマートに出場。

 

野口英世の出身地、猪苗代の駅前は正直言って寂れていた。

駅舎を出てまず目に入る店は、たまたまなのか潰れているのか軒並みシャッター閉まっているし、そこらを歩く人もいない。

駅前ロータリーに停まっているタクシーは暇そうだ。

しかしバックに構える雪に覆われた磐梯山と青い空のコンビネーションが美しい。

とてもすがすがしい気分。たのしいな!

磐梯山

でかい山っていいよなあ。

いつでもドーンとそこにある、その地のシンボルのような存在。

日本一富士山はもちろん、弘前で見た岩木山もそうだったけど、

なんかグッとくる。「心のふるさと」って感じ。

 

バスの時間まで30分、暇だ。

駅舎を出たり入ったり駅前をうろついたり、待合室でパン食べたりして時間を潰す。

ようやく来たバスに乗り込んだのは、私と待合室でずっと座っていた女性の二人だけだった。

存続が危ぶまれていそうなガラガラのバスに揺られ長浜を目指す。

 

道路を見るに除雪されているのは車道のみで、歩道は完全に雪に埋もれて歩けそうにない。

やはり雪国そして車社会の田舎、こんな時季に歩いて出かける人なんてそんなにいないのだろうな。

予定通り関都駅で降りて志田浜に向かっていたら20分歩くのだって大変だったかも。

 

猪苗代駅から約15分ほどで長浜に到着。

同乗の女性も一緒に降りた。自分と同じ目的の、同じ女一人の観光客だったようで、親近感が湧いた。

 

雪に覆われた湖畔は一部除雪されて通り道が作られている。

すぐそばに、やきいもののぼりが立っている小さな売店があった。

どうもそこで鳥のエサを売っているっぽい。

しかし残念ながら店は閉まっている。遊覧船が運休だからそれに伴って?

エサやり、できないのか…

めっちゃ鳥おるのに

湖には白鳥もいるけどそれ以上の大量のカモ!

来ている人たちはみんな楽しそうにエサを与えている。

 

いいな、私もエサやりしたい。したいけどエサがない。

皆さん自分で持ってきたんだろうか。

うらやましい…私はただ見るだけ…

こうなったらもったいないけど郡山で買ってきたパンちぎってあげようかな

具の入ってない端っこの部分だったら大丈夫じゃないか?

リュックからパンの袋を出そうとしたところで、

あれ、よく見たらさっきのお店、営業してるっぽい?

 

寒いから客が来た時だけ小窓を開けて対応しているようで、そのせいでやってないのだと勘違いしていた。

よかった、エサが手に入る!エサやりできる!

食パンの耳やきれはしが袋に入って100円から。お得な大容量袋もあり。

エサあげまくりたかったのでちょっと多めの200円の袋を購入。

さあ、あげまくろう!

餌付けされ人慣れしすぎのカモたち

ぜんぜん逃げないどころか寄ってくる

カモに見上げられる

「エサくれよ」と訴えかけられる

「そのエサをよこせよ」とのぞき込まれる

立ち去ろうとするとあとを付いてくる

かわいいーカモかわいいー。つぶらな瞳とまるいお腹、いや胸?かわいいよー
向こうからグイグイ来るからエサのやり甲斐がある。めっちゃ楽しい。

湖の向こうに連なる雪化粧した山々の景色も素晴らしく、心から来てよかったと思った。

現地にいるのにすでにまた来たくなっている。

白鳥もかわいい

白鳥は人慣れしておらず、カモのように向こうから寄ってくることも、陸地に上がってくることもない。波打ち際にいる白鳥に近づくと逃げる。

白鳥にエサをあげようと狙いを定めて投げても、水面に落ちるやいなや周囲のカモが一斉に群がって即座に食べてしまう。白鳥はカモに比べ動きが鈍い。

白鳥が空中でキャッチできるようにうまいこと投げるのはなかなか難しい。

投げられたエサに一斉に群がるカモと白鳥

エサやりを楽しむ人々の中には、市販の食パンを一袋そのまま持ってきている人もいた。

更にはスーパーのかごいっぱいに食パンを持参してきたつわもの一家まで現れ、豪快にパンをばらまいていた。

 

エサやりも一段落したところで、乗るつもりだった遊覧船の近くまで行ってみた。

はくちょう丸とかめ丸

遊覧船として乗れるのははくちょう丸の方で、かめ丸は現在予約制の船上レストランとして使われているそう。

ちなみに今日は「クリスマスクルーズinかめ丸」というイベントが行われる予定だった。残念。

まつげの長いかめ丸

 

高台の駐車場から見下ろす

 

さて、パンの耳もなくなったけどバスの時間まではまだある。あとはテキトーにぶらつくか。

すると同じバスに乗ってきたあの女性を見かけた。

あ、あの人だ、とついつい目で追ってしまう。

駅からずっと同じルートの同じく女一人旅の彼女に、勝手に仲間意識を抱いていた。

バスの本数が少ないので、きっと帰りも一緒になる。

同じく時間をもてあましたのであろう彼女は、再び売店でエサを買い、エサやりを楽しんでいた。

いいな、私ももう一回やろっと。

今度はさっきより少ない100円の袋を購入。それでも十分すぎるほどの量が入っていて、

残りの時間で心ゆくまでエサやりを堪能した。

スワンボート?

時間になりやって来たバスに彼女に続いて乗り込んだ。

しかし私は駅まで行かずに途中下車するのだ。

さようなら。どこかの誰かさん。

 

バスを降りたら人っ子一人いない雪道を目的地まで歩く。

歩道が埋まっているので車道を歩かざるをえない。

車にしてみたら邪魔かもしれないが仕方ないんだ勘弁してください。

道の駅に行きます

道の駅向かいのビニールハウスには「いちご狩り」の文字。

ちょっとやってみてもいいかしら、なんて興味を持ったら料金なんと2,800円。たけーよ!

 

「道の駅 猪苗代」 来場者500万人突破の人気スポット

 

時刻は15時近く。お腹空いてなくもないので何か食べたい。

レストランには食べたいものがなかったので、フードコートでラーメンを。

 

猪屋 しおチャーシューメン

おーいしーい。

喜多方ラーメンの人気店店主が指導した店らしいので、これも喜多方ラーメンでいいかと思われる。

 

お腹も満たされたので広い売店でお買い物。

工芸品や野菜、弁当、お土産、いろいろ売ってて楽しい。物欲爆発しそう。

道の駅では地場野菜や果物が安くておいしそうでいつも買いたくなる。

地元の特産品も好きなだけ買い漁りたい。

さっきのフードコートにある食べ物も全部食べたい。

でも胃の容量は限られているし、旅の途中でそんなに買い込んだら邪魔なので泣く泣く諦める。

 

地元のもの、かつすぐ食べきれて荷物にならなそうなものを厳選していくつか買って、郡山のホテルでもらった地域クーポンを使い切った。

猪苗代名物「磐梯黄金納豆パン」の中身が納豆そのまんまだった

 

さあ駅に向かおう。電車の時間が迫っている。

空は雲に覆われ真っ白であたりは薄暗くなってきた。

電車間に合うかな。乗り損ねたらこの寒空の下でどうやって時間潰そうか。

 

磐梯山の絵が描かれてるのいいよね

 

無事間に合った。

次来るときこそ遊覧船に乗りたい。さようなら猪苗代。

 

反対ホームは郡山行き

猪苗代に別れを告げ、今日の最終目的地の会津若松へ向かう。

年末一人旅3日目 仙台~福島~郡山

 

12/24(土)クリスマスイブの朝。

8時すぎにホテルをチェックアウトして、アーケード街を通って仙台駅へ向かった。

駅ビル・エスパル仙台にあるだし茶漬けの店で朝ごはんを食べようと思うんだけど、店が見つからない。

本館?東館?Ⅱ?どれ?どこ?どこがどれ? 全然わからん!

 

結局、探し回ってた西口でなく、反対側の東口付近にあった。

そんなこんなでようやく見つけたのに客が誰もいなかったのでおじけづいて入れず、

近くにある小洒落たカフェに入ってトーストセットを注文。

ハミングミールマーケットというお店。

店員同士の挨拶が「グラッチェ」だった

なんとすてきな朝ごはんか!

だし茶漬けのこともすっかり忘れてうれしくなった。

駅の自由通路に面したカウンターで、行き交う人々を眺めながらすてきな朝ごはんを食べる。

良い朝だー。

 

良い気分で西口に戻ってバスに乗った。

なんかやたら混んでて落ち着かないし停留所が多くてせわしない。良い気分持続せず。

予定より遅れて目的地に到着。

このカップルと帰りのバスまで一緒だった

バスを降りたらどどーんとそこにいる仙台大観音。

去年行った茨城の牛久大仏に次ぐ日本で2番目に大きい巨大仏。

なんでこんなもん作ったのか、どうやってこんなでかいもん作ったのか?

それも気になるけど、「なんかすごくでかい」 それだけで惹かれる。

信仰心はまったくない。ただ馬鹿でかいものを近くで見たくて来た。

他に人がいないのでカップルに付いていく形になってちょっと気まずい

仙台公式観光情報サイトの紹介文によると

「お土産施設や食事施設完備、観る・買う・食べるの3拍子揃った仙台大観音です」

らしいので、そこそこの規模の観光地をイメージしていた。

だけど辺りは閑散としている。件の施設も見当たらない。

フェンスで封鎖された、だだっぴろい殺風景な敷地があるのみ。

どうにも廃墟感が否めない。

 

寂れた観光地や流行ってない店ってなんだか悲しい気持ちになるんだよな。

「大丈夫なんだろうか、やっていけるんだろうか」と勝手に心配になる。

でも何も知らないただの通りすがりのくせに勝手に可哀想がって、上から目線で嫌な感じだな、よくないよな。

 

気を取り直して大観音の中に入った。拝観料500円。

内部は暖房設備もなく寒い。真冬に来るのはやめたほうがいいかもしれない。

まずは1階をぐるりと周って見学し、エレベーターで最上階まで行って階段で降りてくるのがおすすめコース。

1階にあるのはなんやらの観音像と、十二神将像。

十二神将って何?(干支の守護神とかなんとか)

仏像とかぜんぜん興味がないので、「仏像だなあ」としか思えない貧弱な感受性。

とりあえず、十二神将の名前がいちいちかっこいい。

「伐折羅(ばさら)」とか「宮毘羅(くびら)」とか「迷企羅(めきら)」とか。

みんな「羅」がついている。字面が強い。

卯年の守護神「摩虎羅大将

自分の干支の守護神を確認。

なんかよくわからんけど守護していただきたい。

 

エレベーターに乗って最上階へ。

注意書きにびびる

いらないけどちょっと欲しい…

 

最上階12階からの眺め

遠くの山々が見える

光る海が見える

小さな窓から覗くだけなのでそんなに迫力はないけど、まあ展望台じゃないし仕方ない。

さて降りるか。

 

らせん階段をぐるぐる下りながら、人間の煩悩の数と同じ108体の仏像を観てまわる。

うーん、わからん。一体一体説明書きがあるけど読む気にもなれず流し見する。

 

それぞれにいろんなご利益があるらしい。

「ポックリ往生」っていい響き

「この菩薩の名前は聞いたことあるな」とか

「この説明書きを108体全部隅から隅まで読む人いるのか?」とか

「信仰の厚い人や好きな人にはたまらないスポットなのかな」とか薄っぺらい感想しか浮かばない。

 

お、唯一知ってるやつ発見。弥勒菩薩

知ってるといっても、「とてつもなく先の未来にこの世に現れて人々を救ってくれる」というおおざっぱな知識しかない。

目が合いますね

あとはよくわからんので仏像のポーズだけに注目して観ていた。

ナイスポーズ!

すべての仏像に一円玉が置いてあった

 

大して興味もないのに謎の使命感で律儀に一階ずつ見て回ってるうちに、外はこんなことに。

吹雪いてるー!

 

休憩スペースになつかしの金さん銀さん

 

サクッと見て帰るつもりが、流し見でも思ってたより時間かかってしまった。

時間がないとか疲れたとか飽きてきたら、途中の階からエレベーターで一気に降りてくることも可能。

 

外に出るとなかなかの雪の降りっぷり。

しかも水分の多いベチャっとした雪。横から容赦なく殴りつけてくるので折畳み傘ではカバーしきれない。

身体がどんどん濡れていく。時間になってもバスは来ない。どうなってんだ!

 

5分以上遅れてやって来た仙台駅行きのバスに乗り込み、またも混んでる車内に辟易し、立ち客の間をすりぬけて途中下車。

さて昨日のリベンジだ。

阿部蒲鉾店のひょうたん揚げ

アメリカンドッグの中身がかまぼこになっている。かまぼこの主張はそんなに強くないけど、なんか妙においしい。

店の前の小さなベンチで他の人と相席しながら食べた。

食べてる間に何人も客が来ていた。地元民にも人気。

 

次は歩いて仙台駅へ向かい、昨日のリベンジの続き。

コペリタンを買った後にずんだシェイクエクセラをイートイン。

ずんだシェイクエクセラとかわいいハチの紙袋

クリーミーなずんだシェイクにホイップクリームが載ってボリューミー。

混ぜて飲むかそのまま飲むか迷う。混ぜないと最後はホイップクリームをそのまま飲むことになる。ホイップクリーム好きなのでそれもよし。

月一くらいで飲みたい。

 

これで仙台でやりたいことはやり尽くして心残りはなくなった。

ここからは青春18きっぷを使って鉄道旅。

東北本線で仙台から白石、乗り換えて福島へ向かう。所要時間1時間26分。

 

ロングシート好きじゃない。景色見たいけど向かいの人と目が合いそう。

・誰かが忘れた買い物袋を乗務員が回収していた。レジ袋から透けて見えるパック入りのショートケーキ。せっかくのクリスマスケーキだろうに…。

・部活帰りっぽい男子学生がコンビニ弁当食べてた。ロングシートでがっつり弁当食べる人初めて見た。若さだなあ。

 

そんな感じで電車に揺られ、福島到着。

今日の最終目的地は郡山。だけど福島で途中下車した理由はこれだ。

福島名物 「凍天」

揚げドーナツの中に福島の伝統的な保存食である「凍み餅」(餅を凍らせて乾燥させたもの)が入っている。

去年末に福島駅に来た時に偶然見つけて、

餅を生地で包んで揚げるなんてなぜそんなことをしたのか?気になって買ってみたら、

なんだこれめっちゃうまいやんけ。

中身はよもぎ

ドーナツ、よもぎ餅。この組み合わせ、あんドーナツや草餅を連想した。

あんこ入ってんのかな、甘ったるそうだな…と思ったら中身は甘くないよもぎ餅だけ。

全体的に意外と甘さは控えめでよもぎの香りも感じられ、とてもおいしかった。

翌日に行ったいわきにも店舗があったので二日連続で食べたし、

とても気に入ったので家に帰ってお取り寄せもした。

でも冷凍品を温めただけだとやっぱり違う。現地で揚げたてが食べたい。

というわけで今回は凍天のために福島で途中下車したわけだ。

 

1年ぶりに買いに来たらあんこ入りバージョンも登場している!

でも今回もノーマル凍天を購入。

久々の再会に喜び、福島まではそう易々と来れないし張り切って2個買った。

やっぱりおいしい。

おいしいけどやはり餅とドーナツ、一度に2個食べるのは重いな。

物足りないくらいがちょうどいい。

 

福島での唯一の目的を果たした。

ついでに福島餃子も食べたかったけど、タイミング悪く中休みの時間でどの店も営業しておらず。

時間つぶしに去年赤べこを買った観光物産館に行ってみた。

駅から少し歩くし、ビルの1階の奥まったところにあって外からは見えないし目立たなさそうなのに、大人気。去年と同じくレジには長蛇の列。

今回は何も買わず。

おひげ剥がれて雨に打たれてかわいそうな「ももりん」

福島を後にして16時半、郡山着。

ホテル行く前に夕飯食べようかと駅構内をうろつくも、人が多くて入る気になれず。

周辺をただうろうろ歩き回る。

とりあえず駅前のビルにある無料展望台に行った。

ここもまた去年と同じ。わりと同じことしがち。

忘れたころに思い出す今日がクリスマスイブだってことを

知らない街で地元民にまぎれてひとり歩いてる非日常感が楽しい。

この地にいる人わたしのことだーれもなーんにも知らない。それってなんかわくわくする。

 

駅から離れたホテルを取ったので小雨の降る中20分歩く。

傘をさすほどでもないけど、めがねが濡れる。

めがねが濡れたので水滴を拭くと、塗っていた曇り止めが取れてレンズが曇りだす。

うざったいからめがねを外す。視界がぼやけてよく見えないストレス。

ああもういらいらする!ホテルも遠いし!まだかよ!

 

やっと見つけた、ホテルすぐそばのショッピングモール。

まずはここで腹ごしらえ、と思ったけどがらんとした活気のないフードコートでごはんを食べるのはやめて、スーパーで買い物だけしよう。

ローストチキンとフライドチキンを両方買った。クリスマスだから。

カロリーとか値段とか「ホテルの部屋で一人でこんな浮かれたもん食べるのか…」とかそんなもの無視無視。

ケーキも買いたい。クリスマスだから。

しかしもうクリスマスイブ当日の夜。

コージーコーナーはショーケース空っぽだし、フルーツケーキのお店は残り少ないケーキを求めて客が群がっている。選択肢は少ない。

パンケーキサンドのお店…かろうじてケーキといえなくもないが。

 

どうしようか迷った結果、ヨーグルト専門店の「モーニング」というお店でヨーグルトを二つ購入。

ケーキでもなんでもない。

ヨーグルト専門店なんて珍しいし、行列ができるほどヨーグルトが人気なのが意外で、気になったから。

ショーケースには選ぶのが大変なほどいろんなフレーバーのヨーグルトが並んでいた。

「ローズとハイビスカスゼリー」と「ふんわり生クリーム」

 

そのあとすぐ近くのホテルへ。チェックイン時におしぼりのサービス。そんなの初めて。

そして全国旅行支援の地域クーポン1000円分を貰った。

そんないいもの貰えると思ってなかったので(全国旅行支援についてよく知らなかった)

サプライズで余計にうれしい。

 

部屋でチキン平らげたり、仙台からずっと運んできたコペリタン食べたり、

なぜか風呂の浴槽で服を足踏み洗濯したり、乾燥機使いに行ったら使用中で帰ってくるのを二回繰り返したり、

三度目の正直でやっと乾燥機にかけられたと思ったら結局生乾きで部屋干ししたり、風呂に入ったりヨーグルトを食べたりなんだりして過ごした。

そんなクリスマスイブの夜。

 

ところでふとした瞬間に、地面が揺れている気がする。

あれ?地震?と思うけど実際に揺れてはいない。

まだフェリーの揺れを身体がひきずっているようだ。

この症状が数週間~数か月、数年続くこともあるらしく、下船病という名前までついている。

自分も数年続いたらどうしよう。

不安になってきた。