人と関わりたくない人

誰も知らない誰かです

年末一人旅5日目・6日目 宇都宮

 

会津若松に別れを告げて、今日の宿泊地の宇都宮に向かう。

いよいよ東北とはお別れだ。

 

いつの間にやら家を出てから5日も経っている。旅の終わりが見えてきて寂しくなってきた。

まだまだ帰りたくない。旅程無視して逆に北上したい。津軽海峡越えたい。気軽なノリで日本最北端まで行きたい。

なんの制約も気にしないで飽きるまでずっと移動し続けてたい。

車窓の景色をぼんやり眺めてそんなこと考えながら電車に揺られ、終点の郡山に到着。

 

ここで乗り換えるのだけど、15分の乗り換え時間を使って一旦改札を出てお土産屋へ。

残りの2500円分のクーポンを使って赤べこグッズを購入。

お椀、スプーン、ピンバッジ

 

そして郡山から二度の乗り換えを経て、宇都宮に17時すぎに到着。

ホテルより餃子より何よりもまず、駅ビルに入っているJINSに向かった。

今朝方壊れためがねをなんとかしないと。

 

朝から色々と考えた結果、修理でなくいっそ新しく作ってしまうことにしたのだけれど、

レンズの度数を測るために壊れためがねを店員に渡したら、ついでに直してくれた。

事も無げに、ものの数分で、あっさりと。

そうしてすっかり元通りになって手元に返ってきためがね。

 

あれ、もうこれでいいじゃん。新しく作る必要ないじゃん。

無駄な出費じゃん。

 

しかし今更「直ったんならもういいです」と言い出す勇気はなく。

あんなに簡単に直るんだったら、最初から素直に「修理できますか?」と訊けばよかったんだ。

いつも後から余計な事ばかり考えすぎていたことに気づく。

本来シンプルな問題をわざわざ自分でややこしくしている。

そういう自分のめんどくささ、若い時に比べたらだいぶマシになってきたと思うけど、まだまだだ。

 

後悔をひきずりながら料金を支払い、出来上がりまで駅ビル内をうろついて時間を潰した。

いちご王国・栃木ということでいちごサンドを買ったり、本屋で立ち読みしたり。

 

約40分後、受け取っためがねをそのまま装着して店を後にした。

これを今日ここで新しく作る必要があったのか、というと、無かったのだが、

なんにしても、晴れてクリアな視界を取り戻したので良しとする。

なんだかんだ新しいめがね、嬉しいし。

 

餃子像のいる宇都宮駅西口


新しいピカピカめがねのおかげで全てのものがはっきりと美しく見えるような気がする。

浮かれた気分でホテルまでの道のりを歩いた。

知らない街を歩くだけでも楽しいのに、夜だとなんだか妙にわくわくして更に楽しい。

 

交差点の角で地方銀行のマスコットキャラクターとおぼしきぬいぐるみに出会った。

モグラかな。かわいい。

かわいいのがたくさん並んでいるのもかわいいし、スカーフ巻いてあるのも、チェックの布が敷いてあるのも、端っこの子がはみ出してるのもかわいい。

これらを職員さんが一体ずつ並べている光景を思い浮かべるとそれもまたかわいい。

かわいすぎて写真撮らずにいられなかった。

 

めがねの後悔もすっかり忘れ、かわいいモグラに心奪われつつ、街中に突如現れた神社が気になりつつ、駅から約20分かけて今日の宿にたどり着いた。

宇都宮東武ホテルグランデ

いつも泊まるのはだいたい簡素なビジネスホテルばかりなので、いつもより広くて豪華なエントランスに少し気が引けてしまった。

とはいえちゃんと予約もしてあるし客であることは確かなので、何も臆することはないのだ。

中に入ってもこれまた広々としたロビーに内心ドキドキしながらチェックインを済ませ、お部屋へ。

 

部屋の中はシンプルで落ち着く空間。

嬉しかったのは、よくある緑茶のティーバッグの他に、ホテルオリジナルブレンドという苺のフレーバーティーがあったこと。

専用のカップも用意してあって、おいしい淹れ方のメモも添えてあるホスピタリティ。

いつもと違う特別感に心躍った。

 

 

さて、宇都宮なのでアレを食べに行かなくては。

言わずもがなの餃子である。

ホテルから5分ほど歩いて到着。

 

ドン・キホーテ地下にある「来らっせ 本店」

(ずっと「こらっせ」だと思ってたら「きらっせ」だった)

ここにもいる餃子像

 

ちょうどおあつらえ向きに近くにあった、というか、ここが近かったからホテルを決めたというか。

宇都宮餃子の名店が一堂に会する、観光客にうってつけの餃子スポット。

 

夜のドン・キホーテって治安悪そうなイメージがあって若干不安な気持ちでエスカレーターを降りて来たけど、

人いないなー。

観光客でにぎわってるのかと思ってたのに全然人がいない。

店先の整理券の案内などを見るに、別に寂れてるわけではなく、単に平日夜という時間帯のせいなのだろうけれど。

 

いつものことではあるが、入店するのに尻込みしてしまう。

入り口から少し離れたところになんとなく立ってスマホ見ながら、様子見。

一人で外食するのって、したい気持ちは山々なんだけど得意ではない。

中の様子も何も分からない店内に一人で突入するのに勇気がいる。

できれば他の人に紛れて入店できたら一番いいんだけどな。

しかし周辺には誰もいない…。

 

でもせっかく来たのに入らずに帰るのも嫌だ。

掲示物をそれとなく眺めたりしながら逡巡したのち、なんとか入店成功。

店内にはまばらに客がいた。

「来らっせ」常設店舗

各店のメニュー表がテーブルに置いてある

案内されたのは「宇都宮みんみん」のカウンター席。

あとは自分で好きな店に行って注文し、出来上がったら席まで運んでもらえる、フードコートのような半セルフシステム。

 

各店舗の特徴も違いも分からないのでとりあえず、せっかくここに案内されたわけだし「宇都宮みんみん」の焼き餃子と、

7種類の味が楽しめる「さつき」のオールスター餃子を注文した。

「宇都宮みんみん」の焼餃子

「さつき」のオールスター餃子

うん、普通にうまい。あっという間に食べてしまった。

さてどうしよう。追加しようか。

迷ったけれども、結局この二皿だけで終了して退店。

 

でもまだ全然食べられる、というか物足りない。

ここは日替わり店舗の方にも行ってみたいところなのだが。

日替わり店舗

こっちも周辺に人いないし、中の様子が分からないし、入りづらい。

宇都宮餃子食べるという目的はもう果たしたし、帰るか。

でもやっぱりもうちょっと食べたい

どうしたものか…

 

迷いながら周辺をうろうろ。

餃子になれる顔はめパネル

 

うーむ、なんかもうフロア全体が閑散としているし、諦めて帰ろうかな。

エスカレーターで1階に上がり、ドン・キホーテのごちゃついた食品売り場を抜けて出入口へ。

 

でもなー。

迷いに迷って、やっぱ戻って、今度は思い切って、突入!

暇そうにしてたどこかの国のアルバイトがすぐさま席へ案内してくれた。

外からはまったく分からなかったけど、客が数人いてホッとした。

 

こちらは常設店舗と違って、席で注文する普通のレストランスタイル。

食べ比べにはうってつけの、一皿で5店舗の味を楽しめる盛り合わせがあった。

でももうそんなに焼き餃子ばっかり何個も食べられない…。

月曜日のメニュー(裏もあり)

 

座った席の呼び出しボタンが故障していて鳴らないというちょっとしたアクシデントもあったが、なんとか注文完了。

 

通常の約1.7倍の大きさだという「悟空」の焼き餃子

「青源」の水餃子

食べてるうちにお腹いっぱいになってきたけど、水餃子のみそスープがおいしくてたくさん飲んだ。

はー、食った食った、満足。これでもう心残りはなし。

 

良くも悪くも若さ溢れる若者が行き交う、自分には若干居心地の悪い夜のアーケード街を通り抜け、遠回りしてホテルへ帰った。

 

お風呂入って、フレーバーティー飲んで、就寝。

 

 

そして翌日12/27(火) 

いい天気。

おはよう宇都宮

少し緊張しながら1階のカフェレストランに向かい、朝食バイキング。

というか、朝食ビュッフェ?どっち?どっちでもいい?

 

1回目

紅茶のティーバッグに間違えてコーヒー注ぐのこれで二度目だ…

これがお湯かな?と思ったポットがコーヒーだった。

慣れないあまりにおかしな間違いしてしまったのを誰かに見られてたらどうしよう恥ずかしい!

という内心の焦りを悟られないように、平静を装ってそのまま席まで持って帰ってコーヒー紅茶を飲んだ。

コーヒー嫌いなのでまずいけど、飲めなくはない。

もうこんな間違いしたくない。

 

2回目

わー「シェフが作ってくれるオムレツ」だー!でも声掛ける勇気ないな…

と思って見てたら、スタッフがすぐ気づいてくれて「お作りしますか?」と尋ねてくれた。ありがたい。

数種類の選べるトッピングから、きのことたまねぎとチーズのオムレツ。美しい。さすがシェフ。

そして見た目がアレなことで有名な郷土料理「しもつかれ」に遭遇したのでチャレンジしてみたが…もういいかな。

 

デザート

おいしかったのでおかわりしたフレンチトーストとさつまいもの甘露煮。

一切れがでかい季節外れの梨。

ソフトクリームはあったら食べなきゃいけない使命感に駆られる。

 

 

お腹いっぱいになって部屋に戻り、9時すぎにチェックアウト。

駅に向かってのんびり歩いていたら、お土産屋さん?民芸品店?の店先のガチャガチャが目に留まった。

 

「ぎょうざうるす」という謎のキャラクターの、アクリルキーホルダー。

 

ぎょうざうるすって聞いたことあるような、ネットで見たことあるような、ないような、

とにかくなんか、かわいいぞ。

すごく好きなタイプ。ときめいた。ひとめぼれした。

これは素通りできない。一匹捕獲して帰りたい。

 

とはいえガチャガチャなんて普段やらないし、しかもこんな大通りに面したところで、なんかこっぱずかしい。

しかもアクリルキーホルダーってあんまり惹かれないな、いらないな。

 

しばし考えつつ、ガラス越しに店内の様子をうかがってみた。

たくさんの茶色いひょうたん細工?と、そしてかんぴょう。

正面には宇都宮の郷土玩具「黄ぶな」グッズが並べられている。

黄ぶなもかわいいよねーと見ていたら、「ぎょうざうるすは裏にいるよ」と書かれたポップを発見。

店内には他にもグッズがあるみたいだ。

おそらくこのお店のメインである民芸品にもかんぴょうにもあんまり興味は湧かないし若干入りづらいけど、ぎょうざうるすは気になる。見逃せない。

というわけで思い切って入店。

 

民芸品の並ぶ壁沿いの棚の一角にぎょうざうるすコーナーはあった。

手書きのポップによると、SNSをきっかけに、ぎょうざうるすはすでに人気を博しているらしい。

知らなかった。でもそれも納得のかわいさ。

 

ステッカーやイラストの描かれたトートバッグもあるけれど、いちばんかわいいと思った陶器の置物の、中でもいちばん気に入ったこの子を買った。

いちごさうるすのクリスマスバージョン

かわいい

かわいい

とちぎ

てっきりよそで仕入れたグッズを取り扱っているだけだと思いきや、あとで調べたところ、そもそもこのお店でぎょうざうるすは生まれたそうだ。

ノーマルぎょうざうるす(焼き餃子)の他に、揚げぎょうざうるす、水ぎょうざうるす、つけだれラー油たっぷりバージョンのぎょうざうるすもいるし、

お店のツイッターインスタを見てると、クリスマスの他にもハロウィンバージョンやバレンタインバージョンのぎょうざうるすが登場してたりする。

どれもこれもかわいいしユニークで、作っている人のぎょうざうるすへの愛を感じる。

 

次回宇都宮に行った際にはまた必ずお店に行って、置いてあるすべての種類のぎょうざうるすを捕獲して帰りたい。

家に連れて帰って並べて飾りたいし、愛でたい。

 

 

素敵な出会いによって気分よく駅に向かった。電車の時間までお土産を買おう。

栃木を去る前に、旅行支援のクーポン3000円分使い切ろう。

まず買ったのは、宇都宮の郷土玩具黄ぶなのキーホルダーと、レモン牛乳グッズ(ポップコーン、入浴剤、ハンドクリーム)、そしていちご王国・栃木なのでいちごの入浴剤。

そして残った1000円分で何を買うか、複数あるお土産屋さんを行ったり来たりしたが、なかなか決められない。

黄ぶなのトートバッグ?岩下の新生姜グッズ?どちらもいらない。

もう適当なお菓子でも買う?

 

迷いに迷った末に買ったのが、Suicaペンギンの折り畳み傘。

宇都宮も栃木も関係ないし、2750円もした。1000円を大幅にオーバーしている。

でもとても気に入っている。

軽量で持ち運びに最適、何よりかわいい

 

散々迷ったおかげでいい買い物ができたなー

ほくほく気分で10時55分発大宮行きの電車に乗り込んだ。

 

滞在時間も短かったし餃子食べた以外観光も何もしてないけど

宇都宮は楽しかった。