人と関わりたくない人

誰も知らない誰かです

年末一人旅3日目 仙台~福島~郡山

 

12/24(土)クリスマスイブの朝。

8時すぎにホテルをチェックアウトして、アーケード街を通って仙台駅へ向かった。

駅ビル・エスパル仙台にあるだし茶漬けの店で朝ごはんを食べようと思うんだけど、店が見つからない。

本館?東館?Ⅱ?どれ?どこ?どこがどれ? 全然わからん!

 

結局、探し回ってた西口でなく、反対側の東口付近にあった。

そんなこんなでようやく見つけたのに客が誰もいなかったのでおじけづいて入れず、

近くにある小洒落たカフェに入ってトーストセットを注文。

ハミングミールマーケットというお店。

店員同士の挨拶が「グラッチェ」だった

なんとすてきな朝ごはんか!

だし茶漬けのこともすっかり忘れてうれしくなった。

駅の自由通路に面したカウンターで、行き交う人々を眺めながらすてきな朝ごはんを食べる。

良い朝だー。

 

良い気分で西口に戻ってバスに乗った。

なんかやたら混んでて落ち着かないし停留所が多くてせわしない。良い気分持続せず。

予定より遅れて目的地に到着。

このカップルと帰りのバスまで一緒だった

バスを降りたらどどーんとそこにいる仙台大観音。

去年行った茨城の牛久大仏に次ぐ日本で2番目に大きい巨大仏。

なんでこんなもん作ったのか、どうやってこんなでかいもん作ったのか?

それも気になるけど、「なんかすごくでかい」 それだけで惹かれる。

信仰心はまったくない。ただ馬鹿でかいものを近くで見たくて来た。

他に人がいないのでカップルに付いていく形になってちょっと気まずい

仙台公式観光情報サイトの紹介文によると

「お土産施設や食事施設完備、観る・買う・食べるの3拍子揃った仙台大観音です」

らしいので、そこそこの規模の観光地をイメージしていた。

だけど辺りは閑散としている。件の施設も見当たらない。

フェンスで封鎖された、だだっぴろい殺風景な敷地があるのみ。

どうにも廃墟感が否めない。

 

寂れた観光地や流行ってない店ってなんだか悲しい気持ちになるんだよな。

「大丈夫なんだろうか、やっていけるんだろうか」と勝手に心配になる。

でも何も知らないただの通りすがりのくせに勝手に可哀想がって、上から目線で嫌な感じだな、よくないよな。

 

気を取り直して大観音の中に入った。拝観料500円。

内部は暖房設備もなく寒い。真冬に来るのはやめたほうがいいかもしれない。

まずは1階をぐるりと周って見学し、エレベーターで最上階まで行って階段で降りてくるのがおすすめコース。

1階にあるのはなんやらの観音像と、十二神将像。

十二神将って何?(干支の守護神とかなんとか)

仏像とかぜんぜん興味がないので、「仏像だなあ」としか思えない貧弱な感受性。

とりあえず、十二神将の名前がいちいちかっこいい。

「伐折羅(ばさら)」とか「宮毘羅(くびら)」とか「迷企羅(めきら)」とか。

みんな「羅」がついている。字面が強い。

卯年の守護神「摩虎羅大将

自分の干支の守護神を確認。

なんかよくわからんけど守護していただきたい。

 

エレベーターに乗って最上階へ。

注意書きにびびる

いらないけどちょっと欲しい…

 

最上階12階からの眺め

遠くの山々が見える

光る海が見える

小さな窓から覗くだけなのでそんなに迫力はないけど、まあ展望台じゃないし仕方ない。

さて降りるか。

 

らせん階段をぐるぐる下りながら、人間の煩悩の数と同じ108体の仏像を観てまわる。

うーん、わからん。一体一体説明書きがあるけど読む気にもなれず流し見する。

 

それぞれにいろんなご利益があるらしい。

「ポックリ往生」っていい響き

「この菩薩の名前は聞いたことあるな」とか

「この説明書きを108体全部隅から隅まで読む人いるのか?」とか

「信仰の厚い人や好きな人にはたまらないスポットなのかな」とか薄っぺらい感想しか浮かばない。

 

お、唯一知ってるやつ発見。弥勒菩薩

知ってるといっても、「とてつもなく先の未来にこの世に現れて人々を救ってくれる」というおおざっぱな知識しかない。

目が合いますね

あとはよくわからんので仏像のポーズだけに注目して観ていた。

ナイスポーズ!

すべての仏像に一円玉が置いてあった

 

大して興味もないのに謎の使命感で律儀に一階ずつ見て回ってるうちに、外はこんなことに。

吹雪いてるー!

 

休憩スペースになつかしの金さん銀さん

 

サクッと見て帰るつもりが、流し見でも思ってたより時間かかってしまった。

時間がないとか疲れたとか飽きてきたら、途中の階からエレベーターで一気に降りてくることも可能。

 

外に出るとなかなかの雪の降りっぷり。

しかも水分の多いベチャっとした雪。横から容赦なく殴りつけてくるので折畳み傘ではカバーしきれない。

身体がどんどん濡れていく。時間になってもバスは来ない。どうなってんだ!

 

5分以上遅れてやって来た仙台駅行きのバスに乗り込み、またも混んでる車内に辟易し、立ち客の間をすりぬけて途中下車。

さて昨日のリベンジだ。

阿部蒲鉾店のひょうたん揚げ

アメリカンドッグの中身がかまぼこになっている。かまぼこの主張はそんなに強くないけど、なんか妙においしい。

店の前の小さなベンチで他の人と相席しながら食べた。

食べてる間に何人も客が来ていた。地元民にも人気。

 

次は歩いて仙台駅へ向かい、昨日のリベンジの続き。

コペリタンを買った後にずんだシェイクエクセラをイートイン。

ずんだシェイクエクセラとかわいいハチの紙袋

クリーミーなずんだシェイクにホイップクリームが載ってボリューミー。

混ぜて飲むかそのまま飲むか迷う。混ぜないと最後はホイップクリームをそのまま飲むことになる。ホイップクリーム好きなのでそれもよし。

月一くらいで飲みたい。

 

これで仙台でやりたいことはやり尽くして心残りはなくなった。

ここからは青春18きっぷを使って鉄道旅。

東北本線で仙台から白石、乗り換えて福島へ向かう。所要時間1時間26分。

 

ロングシート好きじゃない。景色見たいけど向かいの人と目が合いそう。

・誰かが忘れた買い物袋を乗務員が回収していた。レジ袋から透けて見えるパック入りのショートケーキ。せっかくのクリスマスケーキだろうに…。

・部活帰りっぽい男子学生がコンビニ弁当食べてた。ロングシートでがっつり弁当食べる人初めて見た。若さだなあ。

 

そんな感じで電車に揺られ、福島到着。

今日の最終目的地は郡山。だけど福島で途中下車した理由はこれだ。

福島名物 「凍天」

揚げドーナツの中に福島の伝統的な保存食である「凍み餅」(餅を凍らせて乾燥させたもの)が入っている。

去年末に福島駅に来た時に偶然見つけて、

餅を生地で包んで揚げるなんてなぜそんなことをしたのか?気になって買ってみたら、

なんだこれめっちゃうまいやんけ。

中身はよもぎ

ドーナツ、よもぎ餅。この組み合わせ、あんドーナツや草餅を連想した。

あんこ入ってんのかな、甘ったるそうだな…と思ったら中身は甘くないよもぎ餅だけ。

全体的に意外と甘さは控えめでよもぎの香りも感じられ、とてもおいしかった。

翌日に行ったいわきにも店舗があったので二日連続で食べたし、

とても気に入ったので家に帰ってお取り寄せもした。

でも冷凍品を温めただけだとやっぱり違う。現地で揚げたてが食べたい。

というわけで今回は凍天のために福島で途中下車したわけだ。

 

1年ぶりに買いに来たらあんこ入りバージョンも登場している!

でも今回もノーマル凍天を購入。

久々の再会に喜び、福島まではそう易々と来れないし張り切って2個買った。

やっぱりおいしい。

おいしいけどやはり餅とドーナツ、一度に2個食べるのは重いな。

物足りないくらいがちょうどいい。

 

福島での唯一の目的を果たした。

ついでに福島餃子も食べたかったけど、タイミング悪く中休みの時間でどの店も営業しておらず。

時間つぶしに去年赤べこを買った観光物産館に行ってみた。

駅から少し歩くし、ビルの1階の奥まったところにあって外からは見えないし目立たなさそうなのに、大人気。去年と同じくレジには長蛇の列。

今回は何も買わず。

おひげ剥がれて雨に打たれてかわいそうな「ももりん」

福島を後にして16時半、郡山着。

ホテル行く前に夕飯食べようかと駅構内をうろつくも、人が多くて入る気になれず。

周辺をただうろうろ歩き回る。

とりあえず駅前のビルにある無料展望台に行った。

ここもまた去年と同じ。わりと同じことしがち。

忘れたころに思い出す今日がクリスマスイブだってことを

知らない街で地元民にまぎれてひとり歩いてる非日常感が楽しい。

この地にいる人わたしのことだーれもなーんにも知らない。それってなんかわくわくする。

 

駅から離れたホテルを取ったので小雨の降る中20分歩く。

傘をさすほどでもないけど、めがねが濡れる。

めがねが濡れたので水滴を拭くと、塗っていた曇り止めが取れてレンズが曇りだす。

うざったいからめがねを外す。視界がぼやけてよく見えないストレス。

ああもういらいらする!ホテルも遠いし!まだかよ!

 

やっと見つけた、ホテルすぐそばのショッピングモール。

まずはここで腹ごしらえ、と思ったけどがらんとした活気のないフードコートでごはんを食べるのはやめて、スーパーで買い物だけしよう。

ローストチキンとフライドチキンを両方買った。クリスマスだから。

カロリーとか値段とか「ホテルの部屋で一人でこんな浮かれたもん食べるのか…」とかそんなもの無視無視。

ケーキも買いたい。クリスマスだから。

しかしもうクリスマスイブ当日の夜。

コージーコーナーはショーケース空っぽだし、フルーツケーキのお店は残り少ないケーキを求めて客が群がっている。選択肢は少ない。

パンケーキサンドのお店…かろうじてケーキといえなくもないが。

 

どうしようか迷った結果、ヨーグルト専門店の「モーニング」というお店でヨーグルトを二つ購入。

ケーキでもなんでもない。

ヨーグルト専門店なんて珍しいし、行列ができるほどヨーグルトが人気なのが意外で、気になったから。

ショーケースには選ぶのが大変なほどいろんなフレーバーのヨーグルトが並んでいた。

「ローズとハイビスカスゼリー」と「ふんわり生クリーム」

 

そのあとすぐ近くのホテルへ。チェックイン時におしぼりのサービス。そんなの初めて。

そして全国旅行支援の地域クーポン1000円分を貰った。

そんないいもの貰えると思ってなかったので(全国旅行支援についてよく知らなかった)

サプライズで余計にうれしい。

 

部屋でチキン平らげたり、仙台からずっと運んできたコペリタン食べたり、

なぜか風呂の浴槽で服を足踏み洗濯したり、乾燥機使いに行ったら使用中で帰ってくるのを二回繰り返したり、

三度目の正直でやっと乾燥機にかけられたと思ったら結局生乾きで部屋干ししたり、風呂に入ったりヨーグルトを食べたりなんだりして過ごした。

そんなクリスマスイブの夜。

 

ところでふとした瞬間に、地面が揺れている気がする。

あれ?地震?と思うけど実際に揺れてはいない。

まだフェリーの揺れを身体がひきずっているようだ。

この症状が数週間~数か月、数年続くこともあるらしく、下船病という名前までついている。

自分も数年続いたらどうしよう。

不安になってきた。